7日午前7時55分ごろ、高千穂町三田井のビジネスホテル「かなや」(小手川重貴代表)から「駐車場のブロンズ像が盗まれた」と高千穂署に通報があった。像は高さ約1・8メートル、重さ約300キロ。台座(高さ約1メートル、重さ約1トン)ごと盗まれていた。6日夜から7日未明にかけ、町内は激しい雨が降っており、小手川さんは「雨の音に乗じて盗んだのかもしれない」と話してる。 署や小手川さんによると、7日午前7時50分ごろ、重貴さんの妻(61)が像に水を供えようと駐車場に出て、像がなくなっているのに気づいた。6日午後8時ごろに家族が見た時には異常はなかったという。署は「重機を使った盗難ではないか」とみている。 像は神話の里・高千穂にちなみ、コノハナサクヤヒメをモチーフに造られた。コノハナサクヤヒメは、天孫降臨で高千穂に降りたニニギノミコトと結婚したとされる女神。小手川さんの父が「観光のシンボルにしたい」と、県内の著名な彫刻家に依頼して作製し、90年ごろに設置した。制作費は600万円以上したという。 小手川さんは「父の思いがこもった像なので本当にショック。何とか取り戻したい」と話している。【佐藤恵二】
7月8日朝刊
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